日本で、家具付き物件といえば、ウィークリー&マンスリーマンションのイメージが強いですが、ドイツでは一般的な賃貸物件として存在します。
●「引っ越してすぐ日常生活を送れる家具付き物件」
●「自分好みの家具を購入する楽しみがある家具なし物件」
●「家具なし物件にしてお手軽なレンタル家具を導入する」
というチョイスもあります。
Q.まずは家を探さねば!そもそもドイツの賃貸価格はどれくらい?
家賃の相場は、前回も掲載しましたが、気になるのは、どの主要都市も賃貸価格が上昇していること。2011年と2017年の賃貸価格(1ヶ月)を比較した「Statista・empirica-Preisdatenbank」(以降のデータも同出典)によると、Berlinは、6,840€→11,520€、Hamburgは、10,200€→13,200€、Frankfurtは、11,880€→14,400€、Münchenは、12,960€→18,600€と、平均賃貸価格の上昇率が32%となっています。ブレグジットの影響でイギリスからドイツへ人が
流れている現状を鑑みると、今後さらに上昇率が高まることが予想されます。
☆レンタル家具のここがgood!
賃貸価格に比例して引越しの初期費用も上がってしまいますが、家具を購入するのではなく、レンタルにすれば、ぐっと初期費用が抑えられます。レンタル料金は、選択する品、期間などにもよりますが、例えば、ファミリー向け完全ホームパッケージ(リビング、ダイニング、寝室、キッズルーム、廊下など)で200€〜300€程度。もちろんパッケージだけではなく、単品でレンタルという選択肢もあります。
Q. 家具付き、家具なし物件、どのくらい賃貸価格が違うの?
家具付き物件は、家具を買い揃える手間がなく、短期滞在者にも人気がありますが、1m2あたりの平均価格は、Münchenが、家具付き:26.59€、家具なし:17.66€、Frankfurtは、家具付き:22.18€、家具なし:14.03€、Hamburgは、家具付き:21.89€、家具なし:11.96€、Berlinは、家具付き:16.61€、家具なし:11.97と、どの都市も高額になり、その価格差は最大83%にも上ります。
☆レンタル家具のここがgood!
一口に家具付き物件といっても、自分にとっては必要ないものがあったり(すでに自分で持っており重複してしまう)、好みでなかったり、逆に必要なのに付いていない•••という場合も。レンタル家具なら、必要な物だけをレンタルすることや、自分好みの品を選ぶことができます。
Q. 家具をレンタルするより、家具付き物件を借りた方が簡単では?
すぐに条件の合う家具付き物件が見つかれば良いけれど、そもそも家具付き物件は、市場に出回っている軒数が少ないため難しい•••。「家具付き」にこだわらず、幅広い選択肢の中から物件選びをするのが一番スムーズといえるでしょう。また、家具付き物件の賃貸価格を考えると、長期滞在者にとっては、かえって割高になるケースが多いため、「家具なし物件+レンタル家具」という組み合わせもオススメです。
Q. 家具を購入した方が、長い目で見たらお得では?
購入かレンタルか悩みどころですよね。購入の場合、引越し後早々に、住環境を整えるためにも家具の購入を行わなくてはいけません。ドイツでは、家具を
扱うお店が郊外に点在している場合が多く、リサーチが大変。いざ品物が決まっても、一度にまとまったお金が必要となるため、金銭的な負担も大きいです。加えて、家具の量販店で注文する場合、ここドイツでは日本とは異なり、手配から配送までに時間がかかるケースも多く、届いてからは自分で組立てをしなくてはなりません。組立てを業者に依頼することも可能ですが、その分、更に配送時期が遅れたり、追加料金が発生したりと、時間や費用が余分にかかってしまいます。家具は購入すれば財産となるメリットもありますが、破損した際の修理代や、帰任時の家具梱包の手間、搬送費用などを考えると、必ずしも購入が正解とは言い切れません。
☆レンタル家具のここがgood!
ご利用料金の支払いは月額制が多いため、一度にまとまった大きな金額を用意する必要もなく、安心して利用することが可能。加えて、配送時には、家具の組み立て、オーディオの配線、設置の難しい家電の取り付けを行い、退去時には、一度に全ての家具を回収してもらえるので、着任時・帰国時に家具の設置や撤去に時間を取られる心配が無いこともオススメ。
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単身者か家族か、赴任期間が短いか長いか•••など条件が異なるため、物件選びの正解はその家庭によって様々。家具についても、購入するものとレンタルするものと分けて考えることで、可能性や楽しみもぐんと広がりますね!