まだまだ先のことだと思っている「年金」の話…
今後ドイツで受け取る方はもちろん、いつ日本に帰国するのか分からない方も
早い段階で年金について確認した方が、良いかもしれません。
今回は、日本とドイツの年金の違いを中心にご紹介します!
ドイツでは専業主婦の場合、自分名義の年金はありません。
日本では専業主婦は第3号被保険者とかいう名称で呼ばれ、
夫が働いていれば、自己負担をしなくても国民年金に加入しています。
しかし、ドイツでは専業主婦の場合は、自分名義の年金はありません。
その代わり、夫が先に亡くなった場合には未亡人年金として、夫の年金の55%を受給します。
妻が先になくなった場合は、御主人はそのまま全額を受け取る仕組みです。
例えば、1000€の年金であれば、妻の未亡人年金は550€ですが、
妻が先に亡くなっても夫は、ずっと1000€もらうことができるのです。
ドイツの制度を鑑みて「年金」の種類と名義を考える必要あり
前のページの様に、例えばご自身が専業主婦であった場合、
法定年金だけではどちらにしても足りないのですが、個人年金に加入する場合には、
奥様名義にしたほうがバランスがよくなったりします。
女性は一般的に平均寿命が長いので、特に妻の方が若い場合は、注意が必要です。
法定の未亡人年金だけでは貧困期間が長くなってしまいます。
将来どのくらいの年金がもらえるかは、
毎年届く年金年次通知(Rentenbescheid)に書かれていますので、確認が出来ます。
枠内の3つ(または2つ)の数字のうちの一番大きな数字が、将来もらえるであろう年金額です。
例えば未亡人年金はその55%となります。
未亡人になった場合、個人年金はどうなる?
個人年金の場合は全額遺族が受給できます。
ただし、遺族年金が受給できる期間には最長でも25年などの制限があります。
例えば10才年上の夫と専業主婦の場合、夫が67才で受給開始した個人年金の遺族保証が25年の場合、
夫が先に亡くなったとして、夫が生きていたら92才まで、つまり妻が82才までは年金が支給されます。
それ以上長生きした場合はその後やはり急に年金額が減ることになります。
またインフレがある場合には物価があがりますから、同じ年金額でもお金の価値が減っていきます。
自分名義の年金は終生年金ですから、生きている限りは受給できます。
ですので、夫婦として追加で年金保険に加入するのであれば、専業主婦の方の名義にすることは大切です。
結婚していないと、未亡人年金はもらえません。。。
いくら長く一緒に暮らしていたとしても、結婚状態でなければ未亡人年金はもらえません。
逆に例え別れて暮らしていたとしても、離婚さえしていなければ未亡人年金はもらえます。
人生の伴侶としての登録(Eingetragene Lebenspartner)をしている場合には結婚と同様に扱われます。
ただし、2002年1月1日以降に結婚した場合は最低1年間以上の婚姻期間が必要です。
事故などにより1年未満でパートナーがなくなった場合などは例外として認められることもあります。
再婚すると未亡人年金はまたもらえなくなりますので、すでに新たな彼がいても、
亡くなったパートナーのほうが高収入(高年金)だったとしたら…などなど…
未亡人年金の計算をしてくれるサイトもありますので自分で確認することも可能です。
サイト:http://www.brutto-netto-rechner.info/witwenrente.php
日本とドイツの「年金受給資格期間」は?
ドイツの年金を受給するためにはドイツで5年間年金保険料を納める必要があります。
日本の年金を受けとるためには、日本で国民年金に加入している期間と「ドイツでの期間」を合わせて10年以上でなければなりません。
厚生年金や共済組合に加入していた期間は自動的に国民年金に加入していることになるので、
扶養者および被扶養者として加入していた期間も受給資格期間にとして認められます。
また、海外在住期間も全てカラ期間として受給資格期間に合算されますので、
日本でたとえ3年しか収めていないとしても、海外に7年在住すればそれですでに受給権は得られますので、支払った年金は無駄にはなりません。
海外在住期間にその国で社会保障費を収めている必要はなく、学生や無職としての滞在であってもカラ期間として加算されます。
これにより、ドイツ在住者で国民年金に少しでも加入していた人は、年金受給資格がないという人はまずいないことになります。
年金のシステムについては、日本もドイツも変更になる場合があります。
最新の年金情報については、年金事務所や専門家に、是非ご確認下さい。